出前

​写真は中華料理「宏苑」の豚ロース丼。

父親が生前、一緒に出前を取ったときの写真をたまたま発見した。

父はあまり夜ご飯を食べなかったが、たまに出前を頼んで一緒に食べた。

浴びるように酒を飲む人で、基本飲み終わるまで食事に手をつけない。

だから、いつも泥酔の状態で出前を食べていた。​

おそらく、その時の意識はほぼなかったんじゃないかと思う。

出前の中でも、特に良く頼んでいたのがちらし寿司だった。

ちらし寿司を頼むと、父は丼の上の魚介だけを食べ、ご飯を綺麗に残していた。

最初、私はそれを見て衝撃を受けたが、次第に、刺し身頼めばいいのに…と思うようになった。

今思えばあれは、魚介だけを食べる前提でちらし寿司を注文していたのだろうか。

それとも、意識のない状態の中、本能のままに魚介だけを貪っていたのだろうか。

今となっては知るすべはない。

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