美学

とある、おじさんの料理配信にハマっている。

丁寧に煮干から出汁をとって味噌汁を作るかと思えば、わざわざ筋子からイクラを作り、大雑把にご飯に盛り付け、汚い机で食す。

おじさん特有の強いこだわりを感じる。

きっと、自分だけの美学があるのだろう。

思えば、私の亡き父親も、チルドの肉まんをわざわざ蒸し器で蒸していた。

私はそれを見て、電子レンジでいいだろ、と思っていた。

立ち上がる湯気の中に、何か特別な時間を見出していたのだろうか。

ウオツネ

近所の昔からある鮮魚店が閉店したというのをネットニュースで知った。

調べたら、生まれる前からやってたらしくて驚いた。

駅直結のショピングセンターの地下にあり、昔ながらの店構えが好きで、特に何も買わないのだけど、よく足を止めて商品を眺めてたりしてた。

6切れぐらいの刺し身が500円ぐらいしたりして、高っ!って行くたびに思ってた。

客観的に見れば、ただの冷やかしである。

自転車の女性

歯医者が終わって車で家まで帰る途中、横断歩道で女性に道を譲ったんですが、その女性が渡り際に満面の笑みで会釈をくれた。

ほんの一瞬の笑顔で、こんなに他人を明るい気持ちにできるのかと驚いたのと同時に、自分も真似したいなとも思ったけど、多分自分には恥ずかしくてできない。

そういうのってきっと、その人の人柄だったり、才能なんだろうなあと思う。

ヤマダ電機

こないだヤマダ電機に行った時の話なんですが、女の子が1人でSwitch2の試遊をしてました。

コントローラーを握りしめ、真剣な表情で遊んでる彼女のことを、私はゲームが陳列されている棚の隙間から見ていました。

ある瞬間、何かに勝利したのか、はたまた何かを発見したのか、女の子がニヤッと笑って、その無垢な笑顔に元気を貰いました。

因みに、ロリコンではないです。

大江戸線

通勤中、電車待ちで並んでたところに男が横入りをしてきた。

見た目は坊主頭で、ガタイの良い男だった。

その男、すごい勢いで空いてる優先席に座るやいなや、顔につけてたマスクを外したんですが、マスクの下が驚くほどの髭面で、伸びかけの坊主頭が相まり、かなりの異様さを放っていた。

鞄の中をゴソゴソやってたので、刃物でもとり出すのかと思いきや、汗ふきシートを取り出してガシガシと顔を拭き始めた。

なるほど、だからマスクを外したのか、と思ったのも束の間、顔を拭いてたシートを滑らせるようにして頭全体を拭きあげた。

坊主って楽だなと思った。